2009年5月16日土曜日

2009.05.16 富士通との協働活動

(五斗蒔だより2009年7月号から転載)

富士通:「守れ、SATOYAMA-竹林被害を"食い"止めよう」

 5月16日、当会の会員との協働により、富士通・ニフティー社員(約35名)は、「守れ、SATOYAMA-竹林被害を”食い”止めよう」のテーマの下に、午前中は里山の現状などを知るための観察会を実施した。そして、里山ランチの昼食後、4グループに分かれて、里山内に拡大する一方の竹林の整備と、大池のブルーギルやブラックバスなどの外来魚駆除活動を行なった。
 これら二つの取り組みは、里山の生物の多様性という視点からみたときに、増え続ける外来種を放置したままだと在来種が駆逐されて、生物相が貧困になる恐れが指摘されていることへの挑戦である。
 富士通が里山でのこうした取り組みを社員の参加の元に活動を始めたのは、昨年同社が「ビジネスと生物多様性イニシアチブ」(COP9で、ドイツ政府が民間企業に生物多様性へ関与することを求めて発足したイニシアチブへ署名参加し、リーダーシップ宣言を行った企業は、生物多様性の保全に配慮した企業活動をすることが期待されている)に加盟したことにあり、これら一連の活動は企業の生物多様性保全のためのCSR活動の一環と位置づけられる。
 そして、昨年の秋に実施した第一回についで、今回は二回目の活動であり、活動の内容も前回から引き続き、同じテーマでの取り組みとなった。企業のこうした継続的な活動を通して社員にも生物多様性の保全の意味の理解と環境保全への意識を深かめることができる機会であるとともに、社内では実施できない自然環境系に属する環境教育の一環と位置づけることができる。
 当日の午前中は、宍塚の里山の自然環境の実態を知ってもらうために、全員参加のもと観察会を実施した。特に、外来種の進出が里山の生物多様性を脅かしている実情を実際に見てもらった。そして、外来種の駆除が里山の生物多様性の保全のためには欠くことのできない重要な活動であることについて理解を深めてもらうとともに、当会が推進している里山の保全活動の意味や意義を知ってもらうことなどのねらいから宍塚大池の里山の観察会を実施した。
 お楽しみの昼食は、当会と企業スタッフの手作りの里山ランチに参加者一同が舌鼓を打ち、美味しくいただいた。使用する食器は里山から切り出した竹で手作りして食べるなど野趣あふれる体験をすることができた。食事のあと、竹林の整備と外来魚種の駆除を行なうグループに分かれて時間一杯活動した。


(外来魚駆除作業)

★当日のタイムテーブル
10:30~ 開会の挨拶富士通および及川、オリエンテーション
10:40~12:30 自然観察コース及び行動計画
コース=ゴロベエの森の観察、セイタカアワダチソウの観察
12:30~13:30 食器つくりと里山ランチ
13:30~15:30 竹林整備、外来魚駆除の二班に分かれて活動する
15:30~16:00 活動終了、後始末、総括


2009年5月9日土曜日

2009.05.09 INAXの活動

INAX:「INAX・森でe(いい)こと」

 5月9日、当会の会員との協働により、INAX社員とその家族(約60名)は、午前中は里山の自然観察会をしながらこれから活動するフィールドの周辺を見学した。
 その後、昼食は宍塚の田畑で収穫した米・野菜で作った里山ランチを自分たちで作った竹の食器で食べた。
 午後、5グループに分かれてサメゲの泉の周辺の整備作業を行った。サメゲの泉は、稲荷谷津上流部に位置し、以前は農作業のときに飲料に使っていた湧水のことである。長い間使われていなかったが、この機会にその周辺の整備に取り組んでいる。1班は草刈り機による刈払い作業、2班はスコップによる水路の整備作業、3班・5班は手鋸による刈払い・枝打ち作業、4班は午前中食事当番だったのでフィールドを歩いた後に作業に参加した。
 INAXでは、「この活動を通じて、社員一人ひとりの環境意識を啓発していくと同時に、生態系の中での水の浄化作用や微生物による分解によるメカニズムなど、生物多様性が持っている力の応用も今後の研究・事業課題として、水資源の商品開発・研究のあり方についても学ぶ機会とする」と位置付けている。
 このように企業が、里山保全活動に取り組む背景には、生物多様性の認識が高まり、企業としての責任が求められていることにある。INAXの環境活動を環境省のエコ・ファースト制度で「エコ・ファーストの約束」として公表し、認定を受けている。また、生物多様性の保全を目指して積極的に行動する企業が集まる「企業と生物多様性イニシアティアブ(JBTB)」の会員でもある。
 当日の午前中は、当会が推進している里山の保全活動の意味や意義を知ってもらうことなどのねらいから宍塚大池の里山の観察会を実施したが、小さい子どもたちも注意深く熱心に聞いていた。
 午後の活動は、やるぞーの意気込みが感じられ、INAX側の準備もよろしく、成果はみるみる上がっていった。秋山常務も皆と一緒になって草刈り機でシノダケの藪を刈り払った。子どももスコップを持って泥にまみれながら一心不乱に水路を掘っていた。職場の地位など関係なく接している姿にINAXの社風かなと思った。各班のリーダーの統率力もよかった。あるリーダーは3月から依頼されていて下見に宍塚を訪れていたそうである。今回の参加者は茨城県内の工場の関係者が多く参加していて顔見知りも多かったようだ。
 (サメゲの泉の作業)

 今回の企画を実施するにあたってINAXの担当者は、宍塚のほかに何箇所かの場所を実際に見て最終的に宍塚を選定したという。担当者は、打ち合わせに3回ほど訪問して準備を進める一方で、リーダーも早い時期から適任者を選びだし任命していたようである。会からは30名ほどでサポートに当ったが、INAXも会員も区別つかないぐらい一緒になって作業に取り組んでいて、会員からは心地よい活動ができたと満足の声が多く聞かれた。
 昼づくりも片付けもみな参加し、どちらかが一方的にサービスするのではなく、お互いのミッションの達成に主体的に取り組むなど、改めて協働の意味を考えさせられた。あと片付けが終わり、里山情報館で合同の反省会を開き、すべてが終了したのは17時過ぎであった。

★当日のタイムテーブル
9.00 会のメンバーとINAXのスタッフとの顔合わせ、打ち合わせ
9:30~ふれあい農園前で受付開始
10:00~10:10 開会の挨拶 INAX秋山常務、会から及川、オリエンテーション
10:10~11:30 自然観察コース及び行動計画
11:30~12:00 食器つくり
12:00~13:00 里山ランチ
13:30~15:30 各班に分かれて実践活動
15:30~16:00 片付、終了後農園に移動
16:00~ 閉会の挨拶 INAX余合工場長スタッフによる合同反省会


INAX(現在はLIXILに統合) ⇒ 5月9日、茨城県土浦市宍塚(ししつか)で、里山保全活動を行います!